特殊分析課は、主に放射性核種分析、異物・異常品分析などを担当しています。
ゲルマニウム半導体検出器を用いた放射性物質の測定を行っています。
また、国際規格であるISO/IEC17025 の認定を取得し、精度の高い試験結果の提供に努めています。
ゲルマニウム半導体検出器
製品に混入した異物の分析を行っています。
異物の種類は金属や樹脂片から毛髪や細菌等、多岐にわたります。
これまでの実績、ノウハウを活かし、顕微鏡観察、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)やエネルギー分散型X 線装置(EDS)などを用いた機器分析、化学分析等、状況や異物の種類に応じた適切な方法を判断しながら異物の特定を行います。
FT-IR
クリップ断面の走査型電子顕微鏡写真とその元素分析結果
EDS
液体クロマトグラフ-飛行時間型質量分析計(Q-TOF LC-MS)や、ガスクロマトグラフ-質量分析計(GC-MS)などの高度な分析装置を用いた機器分析を駆使し、製品の不具合、食品や飲料の異臭・異味・変色等の原因物質の推定を行います。
また、原因物質と官能評価の同時試験(スニッフィング分析)や多変量解析等も取り入れ、原因物質の推定に尽力いたします。
Q-TOF LC-MS
カビ臭お申し出のニンジンジュースのGC-MSクロマトグラムとスニッフィング分析
GC-MS
当所は環境計量分野において新潟県内で第1 号の登録認可を受けています。環境分析課では創業からの業務である工場・事業所排水の検査をはじめ、地下水・河川水等の環境水、ゴルフ場農薬、産業廃棄物(溶出、含有試験)、堆肥・汚泥肥料、土壌診断基準等に関わる試験業務を行っています。
使用している分析機器はpHメーター、溶存酸素計、分光光度計、原子吸光分光光度計、誘導結合プラズマ- 発光分光分析装置(ICP-AES)、誘導結合プラズマ- 質量分析装置(ICP-MS)、水銀測定装置、連続流れ分析装置(FIA)等になります。
機器の自動化は近年進みましたが、分析対象として取り扱う検体には様々なものがあるため、機械にセットさえすれば分析結果がでるものではなく、担当者が自らの知識を基に前処理を行い、分析機器を適正に操作することで初めて正しい数値が得ることができるといった状況にあります。
今後も、使用している機器の性能を十分に活用した定量分析の更なる充実や、新しい設備の導入・更新により効率化を図り、様々なご要望に対応いたします。
ICP-AES
ICP-MS
CFA
水銀測定装置
水道試験課では、水道水、井戸水、プール水、浴槽水などといった飲用や衛生に関わる水質検査を行っています。
例えば皆様のご家庭に供給されている水道水は、安全を判断するために51項目に及ぶ物質に対して基準値が法的に義務づけられています。この51 項目には、色や濁りをみる色度及び濁度、ナトリウム・カルシウム・マグネシウムなどといったミネラル、カビ臭やフェノールのような匂いの成分、陰イオン界面活性剤や非イオン界面活性剤の洗剤に用いられる成分などが含まれています。
これらの成分を水道試験課では、誘導結合プラズマ-質量分析装置(ICPMS)やガスクロマトグラフ-質量分析計(GC-MS)、高速液体クロマトグラフ(HPLC)、液体クロマトグラフ-質量分析計(LC-MS)などといった機器を用いた分析を中心に、水道法に基づく検査試験を行っています。
また水道法第34 条の2第2項の規定に基づく簡易専用水道の管理の検査も行っており、実際に施設に伺い貯水槽の検査や水質検査、管理記録の確認などを行っています。
当所では、試験所の技術的能力を認定する国際規格であるISO/IEC17025 及び水道優良試験所規範(水道GLP)の認定を取得しており、さらなる信頼性の確保、また技術力向上に努めています。今後も精度の高い試験結果を提供できるよう、品質管理の拡充に取り組んで参ります。
HPLC
GC-MS
LC-MS
簡易専用水道検査
(水道法34条検査)
近年の社会環境の変化に伴い、衛生環境は向上しているにも関わらず、いまだ食中毒及び食品事故が発生しているのが現状です。これら発生している食品事故のほとんどは、一般衛生管理への対応が不十分であることに起因しています。私たち「食品衛生課」は、飲食店をはじめとする厨房内の施設管理、食品や器具の取扱い、従業員の衛生管理などを点検し、食品製造の衛生環境作りをサポートしています。
食品衛生の基本である手洗い方法の確認、従業員の身だしなみ、施設設備の清掃、食品や調理器具の衛生的な取り扱い、温度管理、書類などを点検し、不衛生な箇所、不適切な作業や食品管理がないかを調査します。
手洗い方法の確認
食品を取り扱う従事者の手指、施設内の設備及び包丁、まな板などの調理器具類を専用の綿棒で拭き取り、微生物検査を行い、衛生的な管理状況で調理されているか検査します。
調理した食品を収去し、直接お客様が口にする食品が安全であるかを検証します。
設備の拭き取り検査
報告では、指摘事項について現場責任者に詳細を説明し、改善方法やアドバイスをしています。
当課は、食品工場や飲食店で働く皆様が、常に安心・安全な製品をお客様にお届けするためのお手伝いをいたします。
現場責任者への衛生検査報告
私たち食品検査課は、食品衛生課と共に、食品に係わる検査に留まらず、幅広く検査を行なっています。主に水質検査、食品検査(細菌検査、理化学検査)、腸内細菌検査、その他の検査に分かれており、それぞれの検査の担当が情報を共有することで、確かな結果を迅速に報告できるシステムになっています。
水質検査では、水道法に基づく細菌検査や、プール水の一般細菌・大腸菌検査、浴槽水のレジオネラ属菌、工場排水、放流水の大腸菌群の検査などを行なっています。
食品の細菌検査では、生菌数、大腸菌、大腸菌群、真菌類(カビ)、菌の同定や、サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌など、食品衛生に係わる検査を行なっています。
理化学検査では、食品添加物や、栄養成分分析、ビタミン類、ミネラル類、重金属、油の酸化度や、輸入食品の検査なども行っています。
腸内細菌検査では、赤痢菌、サルモネラ菌、O-157 を含む腸管出血性大腸菌を主体に、ノロウイルス等の検査を行なっています。
その他の検査として、賞味期限の設定、遺伝子組み換え(GMO)検査、アレルギー特定原材料検査、コロナウイルス検査なども行っています。
地域の皆様が日々、安心・安全に暮らせるよう、正確で迅速な結果の報告に努めて参ります。
スパイラルプレーター(塗抹)
簡易栄養成分分析
細菌(サルモネラ菌)検査
腸内細菌検査受付業務
環境企画課はお客様との窓口になる部署です。
業務内容は多岐にわたり、排水、飲料水、浄化槽等の定期検査や、悪臭の苦情対応、温泉利用の許可取得のサポートなどがあります。
また、事業施設設置時に必要な届出等のサポートや、設置に伴う周辺への環境影響評価、事業廃止や移転に伴う跡地の土壌汚染調査なども行っています。
日々の訪問で現場の状況に変化や異変を感じた際には、記録野帳や分析結果を元に、必要な措置のご提案を講じる場合もあります。
お客様が解決困難な問題に直面されたときに、法律、技術、コストなどの面で最善の方法を考えて提案することが重要になってくるため、日々の環境法令や条例の更新の把握、法令等の範囲外の調査設計等にも力を入れています。
これからも課内一同、お客様第一で頑張って参ります。
土壌試料採取
環境測定
土壌試料採取
臭気パネル検査
環境保全課では、主に「作業環境測定」および「ばい煙測定」の業務を担当しています。
作業環境測定では、職員がお客様の職場へ伺い、労働安全衛生法において事業所としての管理が求められている項目(粉じん、有機溶剤、特定化学物質、騒音など)の測定を行っています。
また令和3年度より、金属アーク溶接などの作業時に生じる溶接ヒュームについては、作業を行っている方の身体に直接採取装置を装着して測定を行うばく露測定を実施しています。
ばい煙測定では、ボイラーや加熱炉、廃棄物焼却炉といったばい煙発生施設より生じる排気ガス量や、ばいじん(ダスト)量、窒素酸化物(NOx)、全水銀などといった項目の測定を行なっています。
大気汚染防止法の対象となるばい煙発生施設には、その種類や規模に応じて、各項目に規制値や測定頻度が定められており、お客様によっては、事業所独自にISO14000 などに準拠した、より厳しい基準を設けています。
いずれの業務も、私たちの健康や暮らし、環境を守る上で欠かせないものです。正確な測定に基づく結果の報告に努めて参ります。
作業環境測定
作業環境測定(粉じん)
ばい煙測定
ばい煙測定
会計、経理、財務業務から労務管理、理事会や総会の運営など、他課に属さない仕事は全て、4名で構成されている総務管理課で業務を遂行しています。
お客様からの検査のご依頼を各担当部署におつなぎする役目から、従業員が気持ちよく働ける体制の整備など、日々「縁の下の力持ち」として中央研究所を支えています。
笑顔でお迎えいたします
文書法務課では、お客様からご依頼いただいた検体を細心の注意を払い受付をした後、検査員へ引き渡し、受付入力から請求書の発行までを日々行っています。
近年ではデジタル化が進み、お客様のシステムでの対応も行っています。
また、年2回(1 月・7 月) 情報誌を発行し、最新の情報をわかりやすくお伝え出来るよう心掛けています。
飲料水受付
工場排水受付